Google Summer of Code 2018 参加記 (1) 応募編
Google Summer of Code 2018 に提出した Proposal が採択されました。 他の人の参加記に助けられたので自分も書き残しておきます。
Google Summer of Codeとは
Google Summer of Code (GSoC) は、Googleが認定したオープンソースのプロジェクトに参加するとGoogleから報酬をもらえる、学生向けのイベントです。 2018年の報酬額は日本の学生の場合6000ドルです。
2018年の応募締め切りは3月28日、コーディング期間は5月15日〜8月7日です。 Summer という名前がついていますがそれはアメリカの大学基準の話であって、日本の夏休みとは期間が異なります。
応募資格は以下の通りです。
- 18歳以上であること
- Acceptance Date の時点で大学・大学院などの教育機関に属していること
- 住んでいる国での就労が禁止されていないこと
- アメリカと通商が禁止されていない国に住んでいること
イベントの流れはだいたい次のような感じです。
- 自分のプロジェクトの Proposal を書いて Organization に送る
- Organization 内での選考の結果、Proposal が選ばれる(←いまここ)
- メンターの監督の下でプロジェクトを進める
- メンターからの Evaluation で落とされなければ報酬がもらえる(2018年は1st, 2nd, Finalの3回の評価があり、それぞれ1800, 1800, 2400ドルもらえる)
詳しくは公式サイトを見てください。 今年とURLが同じなら Get Started と How it works が参考になると思います。
メンター候補とコンタクトを取る (3/12)
ここからは採択までの流れを書きます。
ある日、今年の募集はいつだろうと思ってGoogle Summer of Code のページを見てみたらちょうど募集期間開始の前日だったので慌てて情報を集めました。 ここで参考にしたのは以下のサイトです。先人の方々ありがとうございました。
- 学生諸君、Google Summer of Code 2013に参加して50万円貰ってオープンソースソフトウェアのコミッターになろう - syuu1228's blog
- Google Summer of Code 2016 参加記 その1 応募編 - 博多電光
- GSoCに採択された話 - yamaguchi.txt
まずGSoC のサイトの Organization 一覧から興味を持った Open Chemistry を選び、 GSoC Ideas を眺めて一番面白そうだった "Fast, Efficient Fragment-Based Coordinate Generation" というプロジェクトに応募することに決めました。
とりあえずコンタクトを取れというのが先人の共通見解だったので、そのプロジェクトのメンター欄にあったアドレスに次のメールを送りました。
Subject: GSoC 2018 Hi, I'd like to participate in Google Summer of Code 2018 at Open Chemistry. In particular, I'm interested in "Fast, Efficient Fragment-Based Coordinate Generation" on the ideas page. I use Open Babel in my research and generating 3D coordinates is important for me. Could you tell me more about the project?
Proposal を書く(〜3/18)
3/15に返信が来て、プロジェクトの詳細(論文情報など)と、何か issue を立てるか小さな pull request を送ると良いというアドバイスをもらいました。 自分が関わりそうな部分の issue を眺めていたら自明な改善点があったのでしょぼいプルリクを投げてマージしてもらいました。
並行してProposalを書きました。Applying to GSoC というページが用意されていたのでその指示に従ってテンプレートを埋める形でGoogle Document で書いていきました。
また、Acceptance Date の時点で学生であることを証明する書類を提出するよう要求されました。 有効期間に4月を含む学生証があるならそれでいいのですが、ちょうど学部から大学院に上がるところで学部の学生証は有効期限が3月までで、大学院の学生証はまだ受け取っていないという状態だったので困りました。 ダメだったら再提出を要求されるということだったので、ダメ元で大学院の合格通知をスキャンした画像と自分で内容を英訳した文章を送ったところ受理されました。 「平成30年 4月」と書いてあるところを「April, 2018」と訳す超訳だったのですが問題ありませんでした。
Proposal を書き直す (〜3/27)
GSoC のDashboard からProposal の草稿を書いた Google Document のリンクを Organization に送り、同時にメンター候補に「Proposal 書いたから見てくれ」というメールを送りました。 また GSoC 経験者の yamaguchi さんや研究室の留学生にもリンクを送ってコメントをもらいました。
コメントをもとに書き直し作業をしばらく行いました。 実際に作業していたページへのリンクを貼っておきます。 docs.google.com
Proposal は複数団体に送れるのですが、他に参加したい団体がなかったので一つに時間をかけることにしました。
Proposalの最終版はPDFで送ることになるため「TeXで書くと印象がいい」という噂に従って LaTeX で PDF を作って送りました。 実際に送ったProposalは以下のリンクから見ることができます。
GSoC_proposal.pdf - Google ドライブ
特に頑張ったところは以下の通りです。
- 論文をいっぱい引用するなどして十分な調査をしていることを示す
- 過去の経験を引っ張りだしてプロジェクトの完遂に十分な能力があることをアピールする
- スケジュールを頑張って週単位で書く(どうせスケジュールなんて破られるのだが、応募者がちゃんとタスクの分解ができるかを見たいらしい)
日本の大学の場合は GSoC の期間中に講義があると思うのでその旨はちゃんと書いて応募時点でメンターの理解を得ておくとよいと思います。
採択される (4/24)
朝起きたらGoogleからメールが届いていました。
メンターからは "Congrats - your application was excellent and highly rated by a wide range of mentors!" と言われました。 Open Chemistryには52件の応募があり7つ採択されたので倍率は7倍ちょっとでした。
というわけで採択されたので Evaluation で落とされないよう頑張ってコードを書こうと思います。 質問がある人はコメント・Proposal にあるメールアドレス・Twitter などで聞いてくれたら答えます。
続きはこちら→Google Summer of Code 2018 参加記 (2) プロジェクト終了編 - n-yoshikawa’s blog